物価の上昇、子どもの教育費、老後の年金問題…
お金に関する悩みが尽きないこのご時世で、正社員としての社会復帰を考えている主婦は少なくないでしょう。
資格を取得していると、企業の採用者に「この人はスキルを持っている」と見られ、再就職を有利に進められますし、パートタイマーで働いている主婦も資格取得によって時給アップを期待できます。
しかし、資格にもいろいろな種類があるので「頑張って資格を取得したけれど全然役に立たなかった」ということになるかもしれません。
そこでこの記事では、主婦が資格取得で失敗しないためのチェックポイントや人気の国家資格・民間資格を紹介します。
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主婦に人気の国家資格6選
国家資格の認定団体は国で、信頼性がもっとも高い資格です。
まずはおすすめの国家資格を6つ紹介します。
調理師
調理師は、衛生や栄養のノウハウを身に付け、安全に調理を進行させるためのプロフェッショナルです。
調理師の資格を取得していることで、レストランやホテル、病院、イベントなどさまざまな分野で活躍できます。
家庭においても衛生・栄養のノウハウは役立つので、調理師の資格取得は主婦におすすめです。
ただし、調理師の資格取得には受験資格があり、調理の業務に2年以上かかわっていなくてはいけません。
実務経験ゼロであれば、まずは飲食店などのキッチン業務に就きましょう。
合格率 | 60%前後 |
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資格取得にかかる費用 | 受験料:約6,000円 |
通信講座の受講料 | 3万円〜10万円 |
通信講座での学習期間 | 1~2ヶ月 |
介護職員初任者研修
介護職員初任者研修は、介護の仕事をするうえで必要な基本的知識や技術を取得するための資格です。
介護職員初任者研修の資格を取得することで、さまざまな介護の現場で仕事できるようになり、身体介助も可能となります。
介護職員初任者研修の資格取得は、以前ホームヘルパーや介護職員基礎研修という資格でしたが、制度が変更されて介護職員初任者研修という名前になりました。
介護護関連の資格では、「介護福祉士実務者研修」も有名ですが、介護職員初任者研修よりも難易度が高くなります。
介護職員初任者研修は、全9科目、合計130時間のカリキュラムを受けます。
講義の他に実技もあり、全部の授業を修了したあとに試験に合格すれば資格を取得できます。
合格率 | 約90% |
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資格取得にかかる費用 | 受験料:約6,000円 |
通信講座の受講料 | 5万円〜8万円 |
通信講座での学習期間 | 1~2ヶ月 |
簿記検定
簿記は、企業にとってなくてはならない帳簿を書くためのスキルです。
簿記検定には日商簿記、全経簿記、全商簿記があります。
日商簿記は、日本商工会議所や全国各地の商工会議所が主催している簿記の検定試験。
全経簿記は全国経理教育協会が主催している簿記の検定試験、全商簿記は全国商業高等学校協会が主催している検定試験です。
この中でももっともメジャーな簿記検定は日商簿記で、1級・2級・3級・簿記初級・原価計算初級の5種類あります。
簿記2級試験は中小企業の経理業務をすることができるレベルの内容で、簿記1級では商業簿記や工業簿記、会計学、原価計算のノウハウが必要になります。
簿記1級を資格取得すれば、税理士試験の受験資格も得られますが、難易度は高いです。
合格率 | 3級:40~50%前後 2級:15~30%前後 1級;10%前後 |
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資格取得にかかる費用 | 受験料:1級 7,850円 2級. 4,720円 3級 2,850円 |
通信講座の受講料 | 受験料:1級 5万円〜20万円 2級 2万円〜10万円 3級 2万円〜5万円 |
通信講座での学習期間 | 1級 1年前後 2級 4〜6ヶ月 3級 1〜2ヶ月 |
保育士
保育士は、日ごろの育児の経験も活かせるため主婦におすすめの資格です。
歳をとっても続けやすく、子どもが多い地域なら一定のニーズも見込めます。
保育士資格の試験を受けるには大学卒業資格が必要ですが、保育関係の学部でなくても受験可能です。
ただし、保育士の資格の合格率は20%前後なので決してハードルが低い資格取得とはいえません。
いろいろ勉強しなければならないことも多く実技もあるので、通学または通信講座で学ぶ人が多いです。
合格率 | 20%前後 |
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資格取得にかかる費用 | 受験料:12,950円 |
通信講座の受講料 | 4万円〜10万円 |
通信講座での学習期間 | 6ヶ月〜1年 |
管理業務主任者
管理業務主任者は、マンションの管理を担うための専門資格です。
不動産管理会社は、管理業務主任者を絶対に設置しなければいけないという「設置義務」があります。
さらに、管理業務主任者にしかできない「独占業務」があるため、安定性の高い資格です。
管理業務主任者になるには、試験合格後に管理業務主任者として登録し、管理業務主任者証の交付を受けなくてはいけません。
管理業務主任者証には5年の有効期限があり、更新をする場合は購入を受講して新しい管理業務主任者証を交付してもらいます。
更新には講座の受講料と管理業務主任者証交付手数料で1万円ほどかかります。
合格率 | 20%前後 |
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資格取得にかかる費用 | 受験料:8,900円 登録手数料:4,250円 管理業務主任者証交付手数料:2,300円 登録実務講習:16,500~22,050円 |
通信講座の受講料 | 4万円〜10万円 |
通信講座での学習期間 | 3ヶ月〜7ヶ月 |
基本情報技術者
基本情報技術者は、システムエンジニアやプログラマーなどが理解しておくべき基礎知識が備わっていることを証明する資格です。
すでにIT業界で働いている人だけではなく、これからIT業界で働きたい人も、基本情報技術者の資格を取得すれば就職で有利に働くでしょう。
システムエンジニアやプログラマーとしての経験がある人なら独学でも資格取得を目指せますが、まったくの未経験なら通信講座や資格学校などを利用するのがおすすめです。
合格率 | 20%前後 |
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資格取得にかかる費用 | 受験料:5,700円 |
通信講座の受講料 | 2万円〜15万円 |
通信講座での学習期間 | 3ヶ月〜6ヶ月 |
主婦に人気の民間資格4選
民間資格は認定団体が一般企業・団体で、国家資格よりもバリエーションが豊富です。
しかし、中には実用性の低い資格も多くあります。
ここでは、実用性が高く主婦におすすめの民間資格を紹介します。
整体師
整体師として仕事をするためには、特に資格はいりません。
しかし、施術を受けようと思っている人たちに安心や信頼感を与えるためにも、整体師を目指すなら取得しておきたい資格です。
整体師に関係する資格には、国家資格と民間資格があります。
国家資格である柔道整復師とあん摩マッサージ指圧師の資格を取得するには、4年制大学や短大、専門学校などで学習し、国家試験に合格しなければいけません。
民間資格であれば、専門スクールで2ヶ月〜半年ほど学び、認定試験に合格することで資格を取得できます。
民間資格の認定団体はたくさんありますが、「一般社団法人国際ホリスティックセラピー協会(IHTA)」「日本MTC療術師協会」が有名です。
整体師と併せて療術師や整体セラピストなどの資格も取得すると、整体師としてのスキルが向上するでしょう。
合格率 | 70%前後 |
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資格取得にかかる費用 | 受験料:10,000円前後 |
通信講座の受講料 | 5万円〜50万円 |
通信講座での学習期間 | 2ヶ月〜6ヶ月 |
ネイリスト
ネイリストも資格が必要な仕事ではありませんが、競合が多い業種なので資格があった方がいいでしょう。
ネイリストの資格は「JNECネイリスト技能検定試験」と「JNAジェルネイル技能検定試験」が代表的です。
それぞれ資格には階級があり、ネイリスト検定試験は1級・2級・3級、ジェルネイル検定試験は上級・中級・初級となっています。
資格取得にかかる費用や難易度は級にもよりますが、3級であれば独学でも取得可能です。
未経験者や2級以上の取得を目指す人なら、通信講座を利用した方がいいでしょう。
合格率 | JNECネイリスト技能検定3級:約80% |
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資格取得にかかる費用 | 受験料:10,000円前後 |
通信講座の受講料 | 5万円〜20万円 |
通信講座での学習期間 | 6ヶ月ほど |
医療事務
医療事務は、医療機関で患者さんの応対をしたり医療費の・診療報酬を計算したりするお仕事です。
求人が多く安定したオフィスワークなので、主婦の再就職先・パートとして人気があります。
医療事務の経験がある人が優遇されますが、未経験者でも医療事務の資格があればいい印象を与えられるでしょう。
医療事務関連の資格は、診療報酬請求事務能力認定試験、医療事務技能審査試験(メディカル クラーク®)、医療事務管理士® 技能認定試験、医療事務認定実務者®試験の4つが代表的です。
どの資格も年齢制限や受験資格はなく、誰でも受験できます。
もっとも難易度が高いのは診療報酬請求事務能力認定試験で、順に医療事務管理士® 技能認定試、医療事務技能審査試験、医療事務認定実務者®試験と続きます。
合格率 | 資格により30〜80%ほど |
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資格取得にかかる費用 | 受験料:5,000円〜10,000円ほど |
通信講座の受講料 | 3万円〜8万円 |
通信講座での学習期間 | 4ヶ月〜6ヶ月 |
カラーコーディネーター検定
カラーコーディネーター検定は、色彩についての知識を学ぶ検定試験です。
資格を取得することで、インテリアやファッション、ウェブサイト、イラストデザインなど幅広いジャンルでの仕事に活かせます。
カラーコーディネーター検定試験は、「スタンダードクラス」と「アドバンスクラス」の2種類です。
スタンダードクラスは3級にあたり、アドバンスクラスは1級・2級にあたります。
勉強期間の目安は2〜3ヶ月なので、気軽に挑戦できることもメリットです。
カラーコーディネーター検定と似たような資格に、パーソナルカラリスト検定やファッション色彩能力検定、色彩検定もあります。
合格率 | アドバンスクラス 50% スタンダードクラス 70% |
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資格取得にかかる費用 | 受験料:アドバンスクラス 7,700円 スタンダードクラス 5,500円 |
通信講座の受講料 | 3万円〜5万円 |
通信講座での学習期間 | 6ヶ月ほど |
主婦におすすめの勉強方法
資格取得のための勉強方法は、通学または独学の2種類です。
独学では市販の書籍を使う方法と通信講座を利用する方法があります。
主婦が資格を取るなら、実技が必要でなければ自宅で勉強できる独学がおすすめです。
独学はどうやって勉強するかが難しいところですが、通信講座を使えば勉強方法に迷うことはありません。
講座によってはテキストだけではなくアプリや講師への質問機能なども用意しているので、勉強のブランクがあっても安心です。
「少しでも安く資格を取りたい」という人は市販の教材がいいかもしれませんが、通信講座は最新の出題傾向を反映した内容ですし、効率よく学べるので、忙しい主婦におすすめです。
宅建の資格については宅建とは?宅建士が仕事内容からメリット、難易度までわかりやすく解説をご覧ください。
人気の通信講座
主婦向けの資格が豊富|SARAスクール
SARAスクールは、女性のための通信講座です。
整体や心理カウンセラー、アロマセラピーなど女性向けの講座を290種類以上用意しています。
ゼネラルリサーチが2022年に実施した「通信講座10社を対象にしたサイト比較イメージ調査」では、顧客満足度と対応満足度、女性が選ぶ通信講座の3部門でNo.1に選ばれました。
効率よく勉強できる|スタディング
玉木宏さんのTVCMでもおなじみのスタディング。
スマートフォンやタブレットで勉強できるため、忙しい主婦もすきま時間を活かせるでしょう。
問題集、過去問、冊子、動画講座で効果的に学べる「スタディングメソッド」で学ぶことで、短期間での資格取得を目指せます。
通信講座には珍しく無料トライアルがあるので、スタディングが気になる人は申し込んでみては。
通信講座の大手|フォーサイト
通信教育を専門とする資格講座フォーサイトは、受講生が累計で33万人を突破しており、人気も実績も確かです。
特に国家資格に強く、合格率も他社に比べて高水準を実現しています。
テキストがフルカラーで見やすく、独自開発したオンライン学習システムも便利です。
資格学習が1,078円で受け放題|オンスク
オンスクは、月額たったの1,078円で60種類以上の資格学習コンテンツが利用できます。
資格学習コンテンツは、スマートフォンやタブレットを使っていつでもどこでも勉強できるので便利です。
会員になると、資格の学校TACのノウハウが凝縮された講義ムービーも視聴できます。
主婦が資格取得で失敗しないためのチェックポイント
- 取得のしやすさ
- 資格の取得にかかる費用
- 資格の効果
主婦が就職やキャリアアップを目的に資格を取得するなら、上記の3点に注意しましょう。
取得のしやすさ
主婦は家事や育児、介護などに忙しいので、ゆっくり勉強する時間を割くのが難しい人も多いでしょう。
そのため、どれくらいの時間を資格取得の勉強に使えるのか、どれくらいの期間をかけて資格取得を目指すのか、という点はよく考えておくべきです。
資格によっては通信講座や独学で自宅にいながら勉強できますが、中には資格学校などで実技を学ばなければいけないケースもあります。
また、調理師のように実務経験が必要な資格もあるので、取得のしやすさは事前によく確認しましょう。
資格の取得にかかる費用
多くの場合は、資格取得のために通信講座を利用したり資格学校へ通学したりすることになるでしょう。
講座の受講料は資格によりますが、5万円以上する高額なものも少なくありません。
講座の受講料以外にも、試験の受験代や合格後の講習受講料、資格登録費用がかかるう資格もあるので、トータルでかかる費用も確認しておきましょう。
資格の効果
資格の取得後、どのような効果があるのかも重要なポイントです。
「人気の資格だから」「なんとなく役に立ちそうなイメージだから」という理由で資格を選ばず、必ず以下の3点を確認してください。
- 需要のある資格か
- どのくらい収入アップを見込めるか
- 将来性があるか
資格を取得しても、社会的な需要が低ければ就職できません。
資格があることによって就職に有利になるのか、そもそも求人があるのかも確認しましょう。
手当や昇格でどれくらい収入アップが見込めるかも大切なポイントです。
資格に関連する業界の将来性や安定性、歳をとっても働けるのかもチェックし、実用的な資格を選びましょう。
仕事に役立つ資格については【主婦向け】本当に使える資格はこれだ!取得方法やメリットを徹底解説で詳しく紹介しています。
資格を取って仕事や趣味の可能性を広げよう
今回は主婦におすすめの資格と、資格取得で失敗しないためのポイントについて解説しました。
企業への再就職を考えている主婦にとって、資格は有利に働くだけではなく大きな自信になります。
就職や仕事に役立てるつもりはなくても、趣味で楽しめる資格を取ることで、より自分の世界を広げられるでしょう。
趣味から副業に発展させられる可能性もあります。
気になる資格があれば、まずは資料請求してみてはいかがでしょう。