「宅建の資格に興味がある」「宅建を取って再就職に役立てたい」
宅建は、多くの資格学校や通信講座の中でも人気上位に入っています。これから資格を取ろうと考えている人の中には、宅建を候補に入れている人もいるのではないでしょうか?
また、求人でも需要の多い資格なので、不動産業会に勤めている人だけではなく、転職活動中の人や再就職する予定がある人にもおすすめです。
2018年に宅地建物取引士の資格を取得したかっしーが、仕事内容や年収、メリット、難易度を紹介します。
そもそも宅建とは?
宅建の正式名称は「宅地建物取引士」、宅地建物取引業法に基づき国土交通省が管轄する国家資格です。宅地建物取引士は不動産取引における専門家であり、以下のような役割を担っています。
- 不動産の売買や貸借などの取引で消費者の利益を保護する
- 円滑に不動産を流通させる
- 宅地建物取引業の健全な発達を促進する
不動産に関する法令や専門用語は難しく、一般消費者よりも不動産会社の方が有利に取引できます。しかし、土地や建物などの不動産は高額なので、不動産会社にとって有利な条件で取引しすると消費者は大きな負担を強いられるかもしれません。
そこで、国は消費者を保護するためにさまざまな規制を設けています。宅地建物取引士は、これらの規制や法令、不動産に関する専門知識を活かして消費者を保護し、公正な取引を行う役割を担っているのです。
「宅建はあんまり興味がわかない」という人は主婦におすすめの資格TOP10!失敗しないためのポイント・選び方も紹介をご覧ください。
宅建の仕事内容
不動産会社に就職した場合、宅地建物取引士は接客や営業、契約書の作成などさまざまな業務を行います。これらの仕事は宅建の資格がなくてもできますが、以下の業務は宅地建物取引士にしかできません。
- 重要事項の説明
- 重要事項説明書への記名と押印
- 契約書への記名と押印
重要事項説明書とは、不動産にかかっている権利の種類や内容、名義人、そして法令上の制限、災害に関する事項など、不動産を購入するか判断する際に重要となることをまとめた書類です。
宅地建物取引士は宅建士証を提示し、上記の業務を行います。このような、所定の資格がなければできない仕事を独占的にできる資格を「業務独占資格」といいます。
気になる宅建士の年収
宅建士の年収は会社の規模や地域によって差がありますが、400万円〜600万円ほどが目安です。宅地建物取引士には資格手当を用意している不動産会社がほとんどで、3万円〜5万円ほどが基本給にプラスされます。
また、宅地建物取引士の有資格者は昇格にも有利なので、長期的に見て給与が増える可能性も高くなります。
試験の難易度を他の資格と比較
「宅建の試験は難しい」とよく聞きますが、実際のところはどうなのか他の資格と比較してみましょう。まず、宅建試験の合格率は以下の通りです。
受験者数 | 合格者数 | 合格率 | 合格点 | |
2021年(10月試験) | 209,749人 | 37,579人 | 17.9% | 34点 |
2020年(10月試験) | 168,989人 | 29,728人 | 17.6% | 38点 |
2019年 | 220,797人 | 37,481人 | 17.0% | 35点 |
2018年 | 213,993人 | 33,360人 | 17.0% | 37点 |
2017年 | 209,354人 | 32.644人 | 15.6% | 35点 |
参照:試験実施状況|一般財団法人 不動産適正取引推進機構(PDF)
宅建の試験では相対評価という採点方式をとっていて、試験の受験者内での成績を比較・評価します。
合格の目安は50点満点中の35点前後、約70%以上の正答率となります。合格率は15〜17%ほどです。
資格の定番である簿記3級の合格率は約40~50%、最近人気のFP3級は60~70%なので、宅建が簡単に取得できるとはいえません。
しかし、難関とされる司法書士試験の合格率はなんと約4%。気象予報士も約4%、公認会計士は約10%なので、宅建は国家資格の中では割と難しくはない方です。私は高卒だし特別に頭がいい方ではありませんが、「フォーサイト」の教材を使って約3ヶ月勉強し、1発合格しました。
不動産関連の資格との比較
同じ不動産関連の資格同士でも比較してみましょう。不動産の適正な価値を判断する「不動産鑑定士」は試験が2段階となっており、短答式試験の合格率が約32%、論文式試験が約14%。
マンションの維持管理や管理組合の運営をサポートする「マンション管理士」は、合格率が7~9%ほどです。
宅建を独学受験したい人は「宅建に独学で受かった主婦がおすすめテキストと勉強方法を教えます」が参考になります。
宅建を取得するメリット
宅建を取得するメリットは、やはり不動産業界への就職や転職に有利なことです。不動産に関する一定の知識がある証明となるため、無資格の場合よりも採用される可能性が上がるでしょう。
不動産会社だけではなく、自社で不動産を販売している建築業者や住宅ローンを取り扱う金融業界などでも、宅建の資格は歓迎されます。
また、宅建の勉強で学ぶことは消費者としても役立ちます。マイホームを買うときや賃貸で借りるときにも知っていた方がいいことばかりです。
宅建を取得するまでの流れ
宅建の資格を取得するには、試験合格後にもさまざまな手続きが必要になります。実は、宅建試験に合格しても宅建士を名乗ることはできず、「宅建士試験合格者」として宅建士になる資格を得られた状態なのです。
宅建士になるまでは大まかに以下の流れで進みます。
①宅建試験に合格する
②登録実務講習に合格する
③宅建資格登録の申請をする
④宅建士証の交付申請をする
宅建試験に合格後、不動産取引の実務を学ぶために登録実務講習を受講します。登録実務講習は国土交通大臣の登録を受けた機関が実施しており、1〜2日のスクーリング形式です。
そして、登録実務講習の終了試験に合格したら宅建資格登録を申請して、晴れて宅地建物取引士証をもらえるのです。
不動産会社などで実務経験が2年以上ある人は、登録実務講習を受けなくても資格登録できます。
宅建の資格取得にかかる費用
宅建士になるには、試験合格後もさまざまな手続きが必要だと説明しました。そのため、諸々の費用もかかります。
宅建試験の受験料は8,200円です。登録実務講習はスクールによりますが、2万円〜3万円ほどかかります。資格登録では手数料が37,000円、宅建士証交付申請手数料が4,500円です。
受験から宅建士の資格を得るまでには、合計で7万円前後かかります。資格取得スクールや通信講座を利用する場合は別途、数万円〜数十万円の受講料も必要です。
不動産会社や建築関係の会社に勤めている場合は、資格取得にかかる費用を負担してもらえるケースも多いので、事前に確認しましょう。
宅建は主婦におすすめ!
宅建こと宅地建物取引士は、宅地建物取引業法に基づいて公正な不動産取引を行うための専門家です。宅建の資格があれば、不動産や建築、金融業界での就職・転職でプラスに働きます。また、資格手当がつく会社も多く、宅建の資格がある方が将来的な昇格の可能性も高まるでしょう。
国家資格の中では取得しやすいものの、知名度が高く信頼性も抜群の宅建。不動産関連の会社に就職するかわからなくても、実用性も高いので資格を取っておいて損はありません。
また、不動産関連の業種は女性ならではの目線や考え方を活かせるので、宅建士は主婦にこそおすすめです。
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